胡桃をウォッカに漬ける――S先生から教わった、植物の生かし方

この数年、自然療法のS先生から教えていただいた方法で、胡桃をウォッカに漬け込んでいます。
今年は、自然療法を学ぶ仲間と一緒に採取しました。

私がこの胡桃のウォッカ漬けを作り始めたのには、個人的な理由があります。
ただ、ここではその理由には触れずにおこうと思います。

今回は、私がS先生から教わっている自然との付き合い方の一つとして、その作り方を記録しておきます。

目次

8月頃に青胡桃を採取

作り方と言いながら、ちょっとウンチクを一つ。

イタリアには、胡桃を使ったリキュール「ノチーノ」というものがあるそうです。
聖ヨハネの日である6月24日頃に青い胡桃を採取して漬け込んでクリスマスの頃に飲む、という伝統があるのだとか。

ノチーノについてのWikipediaの記事にも、
1552年にスイスの医師コンラート・ゲスナーが著した『ユオニムスの宝』に、聖ヨハネの日に未熟な胡桃を採取し、飲み物を作る記述があると紹介されています。

昔の人々が、季節の植物を暮らしの中に取り入れ、さまざまな形で利用していたことがうかがえて、おもしろいですね。

私がこのことを知ったのは、3年ほど前のことです。
友人が6月の末に、胡桃がたくさん採れたからと送ってくれました。
自家製のノチーノを作ろうとしたのだそうです。

そのとき、S先生も胡桃をウォッカに漬けておられたことを思い出し、作り方を教えていただきました。

先生によると、採取する時期はもう少し先、8月頃の黒くなる前がよいとのこと。
イタリアの伝統とは、少し違いました。

とはいえ、すでに友人から送ってもらった胡桃が手元にあります。
そこから、私の胡桃のウォッカ漬け作りが始まりました。

洗ってウォッカに漬けるだけ

実際、作り方はとっても簡単です。

・きれいに洗う。
・しっかり水分を拭きとる。
・アルコール消毒した瓶に入れる。
・胡桃が浸るくらいまでウォッカを注ぐ。

まず、たらいに水を張り、ガシガシ洗ってザルに上げます。
けっこう油分が強いんですよね。
なかなか水分が飛ばないときは、扇風機をかけるとよいです。

あらかじめ、ウォッカを準備しておきます。
スーパーで買いましたが、ところによってけっこう価格が違うようです。

水分を拭きとった胡桃を瓶に入れ、胡桃が浸るくらいまでウォッカを注ぎます。
瓶いっぱいにはせず、少し余裕を残しておきました。

そして、先生から教わったポイントの一つが、新聞紙で包むこと。

広告の紙や使用済みのカレンダーではなく、新聞紙なんだそうです。
先生も「なぜなのか」を理屈で説明されたわけではなく、長年の経験からそうされているとのこと。
私には、その感覚はまだよく分かりません。
でも、こういうところが、植物療法を学んでいておもしろいところでもあります。

そして、風通しのよい、直射日光を避けた場所へ。
但し、人目につくところに置いておくのだそうです。
先生は、瓶詰めした植物を身近において、折に触れて様子を眺めておられます。
こういったものは、ただ「作って終わり」ではないのかもしれません。

3年経つと、こんな色に

下の写真は、左が漬け込んでから半月ほどのもの。
右が3年経ったものです。

右側は真っ黒になって、もう胡桃の姿が見えません。

3年経った今も、私の瓶の中にはそのまま胡桃が入っています。
(そろそろ引き上げようとは思っていますが。)

時間が経つと、色もこんなふうに変わっていきます。
味も、徐々にまろやかになっていきます。

その変化を感じるのも、なかなかおもしろいものです。

自然とともにある暮らし

今回、胡桃を使ったノチーノが、キリスト教と結びついた伝統であることを知ったのは、とても興味深かったです。

植物は目の前の食べ物、飲み物としてだけでなく、暮らしそのものに関わっている。
それは、植物だけに限りません。動物も、鉱物も。

胡桃のウォッカ漬けを作る、こういった季節の手仕事の中で、
私たちは、自然の中で、自然に生かされて暮らしているのだと、改めて思います。

S先生から教えていただいたことを一つずつ試しながら、
私も少しずつ、自然との付き合い方を学んでいこうと思います。

自分も自然の一部であり、自然の中で生かされている。
そんな感覚に目覚めたら、また少し違った視点で目の前の食べ物やまわりの景色を見ることができると思います。
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