「いい風が吹いとる」80歳のTさんが教えてくれたこと

昨日、おうちの前の持ち主Tさんから、「明日はご在宅ですか?」というライン届きました。

「いますよ」とお返事すると、今朝、「棕櫚の木を伐採に行きます」と。

私が困っていたのを、覚えていてくださったのです。

「崖なんだけど、大丈夫かな」。

それでも、二人ならなんとかなるかな。そんな気持ちでお待ちしていました。

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おうちとの、不思議なご縁

今の畑付きの一軒家は、ちょうど3年前の今頃、空き家バンクで知りました。
内覧時は、遠くにお住いの持ち主であるTさんもいらっしゃいました。
ご実家でしたが、お母さまの13回忌を過ぎてから売却しようと決めていらっしゃったそうです。

内覧二日目に連れて行った父が、ご仏壇にあったTさんのお母さまの写真を見て、
「お名前は、〇〇さんとおっしゃいませんか? 学校の先生をなさっていませんでしたか?」と聞きました。
「はい、そうです。」とのこと。

あとで、家に戻った父は、私に言いました。
「教育委員会にいた頃、あのお母さんに、お寺の娘さんとのお見合いを熱心に勧められた。
その頃は役場に中途で入ったばかりだったので、断った」と。

もし、そのお見合いが進んでいたら、私はこの世にいなかったでしょう。

その後、このおうちと私が縁づくことになる。

不思議な巡り合わせです。

そして、Tさんは一人で家を守ることになる私を、いつも気にかけてくださいます。

棕櫚の木は、なかなか引き上げられない

棕櫚の木は、斜面の途中から生えています。
足場が悪く滑るので、業者さんでないと無理だろうと思っていました。

しかし、さすがTさん。
近くの木から命綱をつけて降りていき、絡んだツタを切りつつ、棕櫚の木にチェンソーを入れられました。
(写真はその前のツタ切り)

道路に落とすわけにいかなかったので、棕櫚の木にロープをかけました。
私は木が倒れかかったら、そのロープを上に引っ張り上げる係です。

しかし、真横にドスン。

ちょうど父が長めのロープを納屋に置いておいてくれたので、二本目のロープをかけました。
父はその場にはいませんでしたが、影のMVPです。

二人で、それぞれのロープを持ち、声を合わせて持ち上げる。
低木に引っかかる。低木を伐る。持ち上げる。でも、持ち上がらない。

半分に伐って、半分だけでも持ち上げようか。

そんな諦めムードの中、試行錯誤をしていたら、少し動いた。

そこから、また声を合わせ全力で引き上げました。

しばしまどろむTさん。

次は、水道のパッキン交換

とりあえずの水分補給に、お手製のりんごの発酵ジュースを飲んでいただました。
ほっと一息ついたのもつかの間、Tさんは、水道の蛇口漏れを気にされます。

ちょうど補修パーツがあるとのことで、交換をしてくださることに。
蛇口のひねりを柔らかくすると水漏れがするのを、いろいろ調整してくださいました。

これまでも、どんなにお世話になってきたことか。
引っ越し前の障子張りから、雨樋の修理、グローランプ替え、雪で折れた木の伐採。
ソーラーフードドライヤーも、リクエストに応えて作ってくださいました。

初めての一人一軒家暮らし。
分からないことだらけです。

こうやって、いろいろ教えてくださるTさんには、感謝しかありません。

二人で栗拾い

鳥取にお住いのTさんがちょくちょく島根にいらっしゃるのは、出雲に奥さまのご実家もあるから。
ご実家からは毎年梅を採らせていただき、うちからは栗と柿を採っていただきます。
これも物々交換。

ちょうど栗が落ち始めていたので、二人で栗拾いをしました。
晩御飯は、奥さまに栗ご飯を作ってもらうとのことでした。

棕櫚の木の伐採で「足が笑うわ~」と言いながら、

「いい風が吹いとる。ここはやっぱり、いいわ」

そうつぶやいて、鳥取へ帰って行かれました。

80歳のTさん、私にとって、本当に有難い存在です。
これからも、いろいろ教えていただきます。

うちの敷地はとにかく広いです。樹木も多いが、草地も多い。夏場は草が伸びるのが早く、最初の年はとにかく焦りました。あ~、また意識が頭にいってるな。これも私の訓練でした。
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